仲良し母娘の落とし穴【共依存】

こんにちは
ストレス連鎖フリーメソッド 心理カウンセラーみらくです。

今回は、仲良し母娘で過ごしてきたAさんの事例から仲良しの裏側にある落とし穴についてのお話をご紹介します。

母がイライラしていたら、私も・・・

仲良し母娘で楽しく過ごしてきたAさん。
最近、母親との関係に悩みがあるといいます。
こんなお話のやりとりがありました。

Aさん「なんだか・・私は違うのにな・・・って思うようになって。」

どうしたんですか?


Aさん「う~ん。なんか、今までは母と同じ気持ちでいることが多かったんですけど・・・。」

お母さんと同じ気持ち、ですか?


Aさん「ええ。両親が些細なことでよく喧嘩してるんです。母が父への不満、文句を言うんですけど、父が悪いわって思うんです。」

お母さんのお父さんへの不満、文句なんですね?


Aさん「そう。母がいつも父を怒りつけているんです。一方的に母が怒っている感じなんですけど。喧嘩しているのを見たり、聞かされると、私も、父にイライラしてくるんですよね。」


お母さんがイライラしてお父さんを怒りつけるんですね。
Aさんもお父さんと喧嘩するんですか?


Aさん「あ、いえ。私と父は喧嘩はしません。」


喧嘩しているのはお母さんとお父さんなんですね。でもAさんもお母さんと同じようにイライラしちゃうんですね。


Aさん「そうなんです。母がいつも父に怒ってて、私も父のイヤなところばかり目についてイライラしちゃってて・・・。」

お母さんのイライラがうつってしまったんですかね?


Aさん「そんな感じですね。でも、父が悪いわけじゃないのになぁって思うんです。だけど、父の味方するのも、母に悪いと思うし。母とは仲良くしていたいし。」

Aさんは、自分は父と喧嘩していないのに、母が父に怒っているのを見て同じ感情になってイライラしてしまっています。
Aさんは、母親と友達のような仲良し親子だといいます。
そんな母との関係で、最近は「Aちゃんもそう思うでしょ!」と母に同意を求められても「私は違うのにな・・・」という感情が沸いてきて、母と違う気持ちになることに罪悪感を感じているとのご相談でした。

仲良し母娘は共依存

これは、仲良し母娘によく見られる落とし穴・・・【共依存】であることに気づくことが大切になります。

【共依存とは】
お互いに過度に依存し合っている状態。
一方の人が他方の人に過度に頼り、自分自身を犠牲にしている。共依存の関係では、自分自身を十分に大切にせず、他人の感情や需要に過度に反応してしまうことが特徴。



Aさんは、なんとなく違和感を感じ始めて気づきはじめています。
Aさんの父親を見る目は、母親のフィルターを通して見ている状態になっています。


「なんだか、私は違うのにな・・」と感じて悩みはじめているのは、母親のフィルターではなく自分のフィルターで見始めた証拠ですね。

共依存の説明とココロの動きの説明を聞いたAさんは「あ・・・そうかもしれない。」とハッとした表情をしました。

仲良し母娘の娘は「自己犠牲」癖が強い

母娘関係における共依存は、娘が母の感情に過剰に反応してしまうことが多いです。
自分を犠牲にして、お母さんの感情を優先させる癖が強くて、自分の感情を大切にできていない場合が多くみられます。

今回のAさんのように、「なんか違う」「罪悪感を感じてしまう」と悩むのは、実は仲良し母娘と言われる間柄に、時期になると訪れる落とし穴なんです。


そして、仲良し母娘の場合は、母親が心配性で過干渉である場合が多いです。
過干渉育ちの子どもは、親を心配させまいと自分の感情を犠牲にします。
母親の感情を優先させる傾向にあります。

母と娘であっても同じ思いじゃなくていい

幼い頃は、親がご機嫌でいてくれないと非常に恐ろしいことが起ると錯覚しやすいです。
いつも側にいてあなたの世話をしてくれる母親がご機嫌でなければ、幼いあなたは落ち着けないんですね。

だから、母親がイラつかないように振る舞いました。
母親の怒りの対象に一緒に怒る、母親の悲しみは一緒に悲しむ。
母の嫌いなものは嫌い・ダメなもの、母が好きなものは好き・良いもの。

大人になって、なんか違うと違和感を感じているのは、親がイライラしている理由や原因があなたとは関係がないと気づきはじめたからなのです。

Aさんの場合も、本来は母親が父親に対して怒っているだけなんです。
母の怒りの感情をAさんは自分の怒りだと感じ取り、母と同じように父にイライラしていました。

『母の問題・母の感情・母の思い』 =(イコール)『自分の問題・自分の感情・自分の思い』になってしまっていたんです。

違和感を感じたときが本当の仲良し母娘に変化できるチャンス

共依存は、他人と自分の境界が不明瞭、あいまいになっています。
他人の感情に過剰に反応して自分の感情やニーズを後回しにしてしまうという特徴があります。

違和感を感じれたことに、罪悪感も持ちやすいので、こんな相談してはダメなんじゃないかと思うんですよね。


これを放置しておくと、もっともっと苦しい気持ちになってしまいます。
表面的には仲良し母娘を演じているけど、ココロの中の自分は「もうヤダ」「私は違うのに」と悲鳴を上げている状態です。
仮面仲良し母娘にすぎません。

自分の感情を後回しにして自分を犠牲にし続けることで、ココロが苦しく、それがカラダにも異変をきたします・・・。

共依存に気づき、あなたの中にある「自己犠牲」の癖を修復することが、本当の仲良し母娘になれるチャンスです。
自分の気持ちを大切にしながら、母親とほどよい距離感で心地良く過ごせると良いですよね。

なにか違和感を感じはじめたら、カウンセリングで気持ちを整理してみませんか。

友だち追加